ペテンに等しいファンドをはじめ、販売している本人も仕組みがよくわからないまま売りに出されている金融商品、そして顧客への説明と実情がまったく異なる内容を有していた投資案件など、世の中には「(何も知らない・無垢の人も含めた)善人から金を巻き上げるためだけに存在する投資商品」が山のように存在する。【Times Online】では「苦労して稼いだ現金を投資する前に確認したい10の項目(The ten questions to ask before investing your hard-earned cash)」と題し、そのような商品(原文中では投資ファンド)に引っ掛からないための確認項目をリストアップしている。
原文はイギリスにおいて、原則的に非上場投資信託(ファンド、投資ファンド)を対面窓口で買い求める人たちを対象にしているようで、例えば「8.誰がアドバイスをしているか」「10.強要されてないか」などはインターネット経由で売買したり、あるいはファンド以外の金融商品を選べばリスクの大部分を回避できる。また、多くの部分で他の投資、金融商品にも当てはまる内容といえる。
「多くの投資商品は必要以上に複雑です。そして、大部分の人々はその内容を理解していません(Many investment products are unnecessarily complex and most people do not understand them. )」という原文中の言葉にもあるように、投資信託にしてもその他金融商品にしても、理解しがたい金融商品は山ほどある。そして理解できないものへの投資は、単に価格の上下に賭けたギャンブルに過ぎない。投機をしたいのならそれでもよいが、投資をしたいのなら良く考えた上で判断をするべきだろう。
1.自分は何に投資しているか
自分のお金が結局のところ何に投資しているのか分からなければ、手を出す必要はない。販売員に質問して、満足のいく回答が得られなければ、やはり「お疲れさまでした、またの機会に」の言葉を残せばよい。
2.自分のお金はしっかりと担保されているか
元本完全保証(正確にいえば100%ではないが)の金融商品以外は、基本的に何らかのリスクを背負っている。自分の投資先に対する担保の安全性・確実性はどれくらいなのかを確認しておく必要がある。「リスクは低いですヨ」とうたわれているものでも、その担保の中身をしっかりと確認しておかねばならない(そう、金融工学という魔法で確実性の高いように見えた住宅関連の金融商品のように)。
3.どのくらいのハイリスク商品なのか
販売員が「低リスク商品です」と説明しても、それが本当なのかを確認する必要がある。元記事では堅実な投資を望む投資家に「ローリスクの金融商品です」という説明で販売した銀行が販売した金融商品が、実は「非常にハイリスクな商品」であることを認め、それにも関わらず数か月間その銀行がお年寄りなどに対しても「低リスク商品である」と売り続けた事例がある。案の定、その商品は後になって半分の価値に目減りしてしまった。
4.手数料はどれくらいか
各種手数料の明細を請求し、実際に何%の手数料が発生するのかを確認する。いくらその金融商品の利回りが良いように見えても、手数料で次々と削られて目減りしてしまっては何の意味も無い。
5.販売先が破たんした場合、どうなるか
株式投資の際の「ほふり」や、銀行の預金に対する「ペイオフ」などなら問題はないが、それら以外の金融商品の場合には、万が一販売先・取り扱い先が破たんした場合、その金融商品の取り扱いや保証はどうなるのかを確認しておく。公的機関や業界団体による完全保証なら問題無しだが、そうでない場合にはリスクの一つとして頭に入れておくべきだ。
6.税金の取り扱いは
株式、債券、為替取引、商品取引、それぞれ微妙に対象となる税制が異なる。日本に限っても【金・銀・白金・パラジウム・まとめて合わせたバスケット・全部で5つの貴金属ETF登場】で解説したような、売買上はETF扱い・売却損益については債券扱いで取り扱うという、ややこしい商品も存在する。「知識は人生を豊かにしてくれる」の言葉ではないが、税制上の知識を得た上で商品の取捨選択を行えば、色々と損をせずに済むはずだ。
7.いつ自分のお金としておろすことができるのか
上昇投資信託や上場株式なら換金性はほぼ100%に近い。しかし出来高が少ない銘柄だと全部を売り払うまでに時間がかかるかもしれない。ましてや非上場の投資信託の中には、特定の条件下で売買が停止されて、現金化できなくなる商品も存在する(たいていにおいて、現金化したい時に限って停止するものだ)。サブプライムローンショック以降の「金融工学危機」、特に昨年後半のリーマン・ショック以降は、外国系の多くのファンドで解約請求が殺到し、現金が足らずに解約そのものが一時的に停止させれた事例も数多く存在する。
8.誰がアドバイスをしているか
銀行のアドバイザーはFPなど金融関連の専門資格を有していない場合が多い。営業マンである彼らは当然の事ながら、自社と自分自身にとって都合の良い金融商品を売りつけようとする。歩合制(出来高制)ではなく、一定料金で仕事をしているFPなどの専門資格を取得している人のアドバイスを聞く方が無難である。
9.「卵は一つのかごの中にある」?
【「かごの卵」とリスク分散】で解説しているが、投資対象となる金融商品を1つに絞る必要はない。ある程度の集中が無いと効果的なリターンは望めないが、同時にリスク分散のための分散投資をしておかないと、「単なるギャンブル」と化してしまう。
10.強要されてないか
銀行などで金融商品を選択している際に、多くの人が(販売員・営業マンなどによる)高圧的な営業を受ける経験をしている。ちょっとした疑問があっても、販売員の強気の推挙でリスクへの姿勢をないがしろにされてしまう。少しでも何か疑問があれば「要りません」と答えよう。
自分のお金が結局のところ何に投資しているのか分からなければ、手を出す必要はない。販売員に質問して、満足のいく回答が得られなければ、やはり「お疲れさまでした、またの機会に」の言葉を残せばよい。
2.自分のお金はしっかりと担保されているか
元本完全保証(正確にいえば100%ではないが)の金融商品以外は、基本的に何らかのリスクを背負っている。自分の投資先に対する担保の安全性・確実性はどれくらいなのかを確認しておく必要がある。「リスクは低いですヨ」とうたわれているものでも、その担保の中身をしっかりと確認しておかねばならない(そう、金融工学という魔法で確実性の高いように見えた住宅関連の金融商品のように)。
3.どのくらいのハイリスク商品なのか
販売員が「低リスク商品です」と説明しても、それが本当なのかを確認する必要がある。元記事では堅実な投資を望む投資家に「ローリスクの金融商品です」という説明で販売した銀行が販売した金融商品が、実は「非常にハイリスクな商品」であることを認め、それにも関わらず数か月間その銀行がお年寄りなどに対しても「低リスク商品である」と売り続けた事例がある。案の定、その商品は後になって半分の価値に目減りしてしまった。
4.手数料はどれくらいか
各種手数料の明細を請求し、実際に何%の手数料が発生するのかを確認する。いくらその金融商品の利回りが良いように見えても、手数料で次々と削られて目減りしてしまっては何の意味も無い。
5.販売先が破たんした場合、どうなるか
株式投資の際の「ほふり」や、銀行の預金に対する「ペイオフ」などなら問題はないが、それら以外の金融商品の場合には、万が一販売先・取り扱い先が破たんした場合、その金融商品の取り扱いや保証はどうなるのかを確認しておく。公的機関や業界団体による完全保証なら問題無しだが、そうでない場合にはリスクの一つとして頭に入れておくべきだ。
6.税金の取り扱いは
株式、債券、為替取引、商品取引、それぞれ微妙に対象となる税制が異なる。日本に限っても【金・銀・白金・パラジウム・まとめて合わせたバスケット・全部で5つの貴金属ETF登場】で解説したような、売買上はETF扱い・売却損益については債券扱いで取り扱うという、ややこしい商品も存在する。「知識は人生を豊かにしてくれる」の言葉ではないが、税制上の知識を得た上で商品の取捨選択を行えば、色々と損をせずに済むはずだ。
7.いつ自分のお金としておろすことができるのか
上昇投資信託や上場株式なら換金性はほぼ100%に近い。しかし出来高が少ない銘柄だと全部を売り払うまでに時間がかかるかもしれない。ましてや非上場の投資信託の中には、特定の条件下で売買が停止されて、現金化できなくなる商品も存在する(たいていにおいて、現金化したい時に限って停止するものだ)。サブプライムローンショック以降の「金融工学危機」、特に昨年後半のリーマン・ショック以降は、外国系の多くのファンドで解約請求が殺到し、現金が足らずに解約そのものが一時的に停止させれた事例も数多く存在する。
8.誰がアドバイスをしているか
銀行のアドバイザーはFPなど金融関連の専門資格を有していない場合が多い。営業マンである彼らは当然の事ながら、自社と自分自身にとって都合の良い金融商品を売りつけようとする。歩合制(出来高制)ではなく、一定料金で仕事をしているFPなどの専門資格を取得している人のアドバイスを聞く方が無難である。
9.「卵は一つのかごの中にある」?
【「かごの卵」とリスク分散】で解説しているが、投資対象となる金融商品を1つに絞る必要はない。ある程度の集中が無いと効果的なリターンは望めないが、同時にリスク分散のための分散投資をしておかないと、「単なるギャンブル」と化してしまう。
10.強要されてないか
銀行などで金融商品を選択している際に、多くの人が(販売員・営業マンなどによる)高圧的な営業を受ける経験をしている。ちょっとした疑問があっても、販売員の強気の推挙でリスクへの姿勢をないがしろにされてしまう。少しでも何か疑問があれば「要りません」と答えよう。
原文はイギリスにおいて、原則的に非上場投資信託(ファンド、投資ファンド)を対面窓口で買い求める人たちを対象にしているようで、例えば「8.誰がアドバイスをしているか」「10.強要されてないか」などはインターネット経由で売買したり、あるいはファンド以外の金融商品を選べばリスクの大部分を回避できる。また、多くの部分で他の投資、金融商品にも当てはまる内容といえる。
「多くの投資商品は必要以上に複雑です。そして、大部分の人々はその内容を理解していません(Many investment products are unnecessarily complex and most people do not understand them. )」という原文中の言葉にもあるように、投資信託にしてもその他金融商品にしても、理解しがたい金融商品は山ほどある。そして理解できないものへの投資は、単に価格の上下に賭けたギャンブルに過ぎない。投機をしたいのならそれでもよいが、投資をしたいのなら良く考えた上で判断をするべきだろう。