心配イメージ「人間は考える葦である」と表現したのは数学者でもあり思想家でもあったブレーズ・パスカルの言葉だが、人間は何かにかけて色々なことを考え、想像し、そして心配をしてしまう。心配をすること自体はまったくの健全な行為で、慎重さを支える一つの行動様式でもあるのだが、過度な心配は睡眠不足や心労を引き起こしてしまいかねない。だからといって「心配するなよ」とさらりと他人に言われても、それをそのまま実践できる人は少ない。【AskMen.com】では、人間ならば多かれ少なかれ抱えている、「心配事に押しつぶされそうな心境」から脱するためのテクニックを4つのステップに区分して紹介している。




1.何について心配しているのかを明確化させる
悩んでいることは分かるのだけれど、自分が何について悩んでいるのか、はっきりとつかみきれていないことは結構あるはず。いわゆる「何となく心配」というものだ。そこでまずは、自分が今、何について心配しているのかを明確化させることから作業は始まる。ノートにでも文章ファイルにでもホワイトボードにでも良いので、自分が悩んでいることを文字に書き記す。場合によっては明文化することで「なんだ、こんな悩んでいてもどうしようもないことについて頭を抱えていたのか」と状況を再認識することもあるだろう。

整理イメージ2.「心配事」を処理しやすいように細分化・整理する
「心配事」が明確化できたら、それを構成要素毎に細分化・整理する。例えば「ローンがおりなくて住宅が買えない」と悩んでいたら、「何で自分にはローンがおりないのか。収入が足りない? 過去に何かペナルティでも受けた?」「自分の財務力にマッチした住宅購入プランだった?」など。「明日の授業参観で先生に指されて答えられなかったらどうしよう」なら、「自分が指される可能性はあるのか」「居眠りしたらどうしよう」「指されたとして答えられるような教科なのか」「宿題の解答を求められたら、返事ができるような準備はしてあるのか」といった具合だ。

3.今、自分に何ができるのかを確定しリスト化する
「心配事」そのものの解消に対し、今この瞬間に自分ができることは何もないのかもしれない。それでも少なくとも何らかの(「心配事」解消のための)プランを練る事はできるはずだ。もしまったく何も打つ手がないのなら、(どの道考えたところで事態が変わることはないのだから)さっさと床について寝てしまうべき。いわゆる「後は野となれ山となれ」「悩むだけ損」である。そうでなければ、自分が「心配事」解消のために出来ることをリスト化すべきだろう。

例えば「新型インフルエンザが強毒性のものに変異して日本で流行したらどうしようか」という心配事があったとする。WHOなり厚生労働省に電話を入れて「どうしたらいいのでしょうか?」と聞くことはしないまでも、それらの専用サイトで情報を入手したり、備蓄品をリストアップして用意するなど、自分なりに出来ることはあるはずだ。「2.」の事例なら、「宿題をしっかりと終わらせておく」「予習をしておく」「教材を忘れないようにする」「十分に睡眠を取る」などいう具合である。それらを逐次リストアップしていく。

行動イメージ4.行動に移る
最後のステップは「心配事」解消のためにもっとも重要なもの。それは、何か具体的な行動をとることにある。上記3ステップにより、「心配事」を無くす・減らすためにすべきことを見出し、それをリストアップしたのだから、あとはもう行動するだけ。万一その行動そのものに何も意味がない結果におちいっちしまったとしても、少なくとも行動することで悩みを解消する事はできるはずだ。つまり、何でも良いから行動することで、悩みは解消しうるのである。

明確化イメージ頭の中に浮かんでいる悩み事を、筆記による文書化・明確化・ビジュアル化で明らかなものとし、解消の手立てとする方法は、【書き出してみることが大切-考え方や発想で変えてみる6か条】【行動計画表とホワイトボードと付せんとメモ書き】にもあるように、普段の行動の中でもごく普通に使える方法。頭の中を自分自身でのぞき込むことはできないが、視野に広がる紙・ホワイトボード上に、ぱっと見で分かるような形で思い浮かんでいること(今回の場合は「悩み事」)を明確化することで、問題の整理がスムースにいくことになる。

繰り返しになるが、心配すること・悩むこと自体は決して悪いことではない。しかし「心配」はあくまでも目的のための過程であり、それ自身を目的にしてはならない。何のために自分が悩んでいるのか分からないような心配事は、「心配のための心配」でしかなく、何も生み出すものではないのだから。