残業イメージ世界的な景気後退感の中で雇用そのものが不安定になる昨今、リストラの影響を受けて負担する仕事の量が増えているのを感じている人も多いはず。業務命令として残業に従うのは仕事人としての常だが、それにも自分自身の限界を知った上で対応しておかないと、心身を台無しにしてしまいかねない。「それは分かってるけど、断ると自分の首も危ういし……」という、「自分の身の安全」と「残業を拒否することへのリスク」の板ばさみにあっている人のために、【AskMen.com】では「残業にはノーといおう(Say No To Extra Work)」というタイトルで、自分自身の勤務評価を下げずに(正確には「下がらないかもしれない」)残業の拒否方法を語っている。





1.「他の仕事よりこれを優先させても良いのですか?
自分の手持ちの仕事が一杯一杯で、新たな仕事をうけられそうにないのなら、「他の仕事と差し替えになりうる」という意思表示を行う。この回答ならば、残業の作業を受けることや仕事そのものに対する積極姿勢を見せつつ、これ以上の負担はオーバーフローになりかねないという状況を説明することにもなる。「忙しい」事実を意思表示することを恐れてはならない。上司は他の人に作業を振り分けることになるだろう。仮にそれでも残業の作業をあなたにやってもらうことになったとしても、他の作業を再調整するなどし、負担は軽くなるはずだ。

2.「私はその作業の最適任者ではないように思われますが
中途半端な経験や技術で作業をし、ひどい質の結果しか生み出せないことを恐れ、自分の腕不足を認めた上で作業を断るのは良くある話。「良い仕事を作り上げたい。でも私の腕前では(あなたが望むような出来栄えのものは)出来ないかもしれない」という意思表示ができる。もし技術・経験的にもっと適任な人がいたら、その人を推挙するのも良いだろう。そのことで部署、あるいは会社全体において「よりよいものを作るための解決法を提示した」と見なされる。ただしこの方法を多用すると、上司からは「怠け者」「無責任」と受け止められる可能性がある。前に進みたいのならば、自分自身を「最適任者です」と言い切ることも必要(もちろん無茶のない範囲で)。

今日中に頼むよイメージ3.「今日で無ければ仕上げてみせます
残業の作業の内容が単に「時間不足で終わりそうにない」類のものなら、時間を取れる後日に仕上げられると申し出る。上司にしてみればその類の作業は大抵においてすぐに仕上げて欲しいと考えているものなので、他の誰かにふることを考えるだろう。仕事でスケジュールがガチガチになっていることを恥じる事はなく、また言い訳をする必要もない。それがたとえ、個人的な理由であっても、だ。さらに、そのスケジュールの内容についてウソをつくべきではない。万一それが発覚すると、スケジュールに関してすべての内容が疑われてしまうに違いない。

4.「この作業、やるべきなんでしょうかね?
スケジュールや能力の問題以外に、断るべき時もある。作業内容が非論理的なもの、戦略的なミスによるもの、単なる経営資源や時間の無駄なものだった場合には「ノー」ということを恐れないように。ただしその発言が無責任なものでないように、なぜそのような結論に至るのかを説明できるだけの十分な理由が必要となる。そしてさらに自分なりの代替案も提示してみるべきだろう。単なる否定では、上司も見限ってしまいかねない。

5.「何か他に手助けできることはありませんか?
作業をこなす時間的余裕はあるが、上司から提示された残業の作業内容が自分の手に負えそうにない場合には、他の作業で出来ることはないかを逆提案してみる。特定の作業をしたくないという意思表示ではあるが、「手伝いたくない」を意味するものではない。自分のいる部署が煮詰まり気味な時には、このような提案は効果的なものとなる。ただしこの方法も多様はリスクを伴う。なぜなら何度も繰り返していると、仕事と責任をえり好みしているようにも見えてしまうからだ。

残業依頼イメージいずれにせよ、上司が残業をお願いしている時点で、上司側は「残業をさせよう」という圧力をかけていることに留意しておく必要がある。それに対し自分自身はいつものように穏やかな気持ちで対応しなければならない。さらに「残業はしない」という明確な意思を表明することが大切。

……などとあるのだが、これらのケースに当てはまらない例、すなわち「ちゃんと残業手当が出て」「プライベートな面も含めてスケジュールに余裕があり」「能力的にも問題なくこなせそうな内容」ならば、喜んで引き受けるのも(本文の主題とは反するが)一つの選択肢。臨機応変に対応してこそ、いざというときの決めゼリフも決められる。切り札はむやみやたらと使うべきではないのである。もちろんこれらのセリフを使って何らかのトラブルを起こしても、当方は一切関知しないのでご留意あれ(笑)。

もっとも昨今ではむしろ、「残業させてくれ」という人の方が多いのかもしれないが。