節約?イメージ日々テレビや新聞で景気後退が叫ばれ、財布の中身が寂しくなると、一円でも節約しようと色々な節約方法を試そうとするもの。しかし中には思いもかけぬ悪影響を及ぼしたり、かえって余計にお金がかかってしまうなど、役に立たない「節約方法」もちまたに流れている。[Times Online]ではそれら「お間抜けな節約方法」の例とその方法へのツッコミを紹介している。ざっとではあるがその内容と解説(日本の場合も一部加えて)見ていくことにしよう。




1.サンドイッチ袋の再利用
 昼食のサンドイッチを入れるのによく使う、パッキングの出来る袋を洗わずに再利用する、というもの。そもそも袋は極めて安価で手に入るし、洗わずに使うのは衛生面で問題がある。日本ではあまり使われていないので、関係の無い話かも。

カレンダーイメージ2.カレンダーの再利用(昔のカレンダーの利用)
 曜日のズレさえ気にしなければ昔のカレンダーを使えば良いというもの。「時とお金を節約できる」とのご自慢だが、祝祭日の問題や曜日のズレによるミスのリスクを考えれば、銀行や雑貨屋で配っているカレンダーなり、100円均一の店で調達した方が良い。

3.プレゼントは抽選で一人だけ
 クリスマスなどのイベントで贈り物を手渡す時、皆に一つずつ配るのではなく、クジで一人だけにプレゼントする、というもの。確かに節約はできるが、もらえなかった人(特に子ども)はトラウマになるに違いない。いくら現金を節約できても、それ以上のものを失ってしまうだろう。

4.塗料を買うときは小さいサイズのものを
 大きなサイズを買っても使い切れず、結局残りを放置して、固まって使い物にならなくなるからというのがその理由。そして万一、倒してしてまったとしても、小さなサイズならこぼす量も少なくて済む。しかし実際にはそんな心配をするほど、塗料を倒す機会はないし、量が足りなくて買い増しをしなければならない面倒くささや、単価の違いを考えれば、節約できるとは言いがたい。

5.一度や二度着たくらいでは洋服は洗わなくて良い
 ちょっとの汚れや汗臭さなど気にしない。洗濯回数が減らせ、水も洗剤も節約できるというもの。確かに否定は出来ないが、その分社会的な立ち位置が危機にさらされることはいうまでもない。

6.トイレットペーパーを使わずに携帯ウォッシュレットを使う
 消耗品のトイレットペーパーを使うのはもったいない、ウォッシュレットを使おう、でも高いから携帯サイズのものを……ということらしい。確かにトイレットペーパーは消耗品で「節約対象」として挙げられることが多いが、ちゃんと代替品が「仕事をして」くれなければ意味がないわけで。

散髪イメージ7.床屋に行かずに自分の髪の毛を切る
 おおもとの記事によると「凝ったカットなら専門家の腕が必要だが、短髪や子どもの髪型は家族でやれば問題なし。専用のはさみやバリカンを調達すれば、何年も使うことが出来る」とある。家族に美容師やその類のスキルを持つ人がいれば問題はないが、生兵法でセルフ散髪をすると、色々と悲劇が起きかねない。

8.歯磨き粉を使わずに塩などを使う
 口の中の爽快感が得られないから、やっぱり歯磨き粉は必要だよね、それがないと下品かもね、というのが原文。これについては正直微妙。歯みがきを純粋な「歯のお掃除」としてとらえるのか、「口臭予防なども含めた総合クリーニング」と見なすのかの違いだろう。

9.紅茶のティーバックは5回使いまわす
 一度に紅茶を複数カップ分作る時の使いまわしは特に構わないが、一度使ったティーバックをそのまま干しておいて、また再利用するというのはどうかな、という話。元々ティーバッグは使い捨てを前提として作られたもので、一度使った後乾燥させて再度利用するという方法は想定されていない。お湯に色はつくだろうが、紅茶として美味しいのかどうかとなると正直微妙。

Pecuniarities紹介の自作の洋服イメージ10.服を自前で作る
 安売りショップでもっと安く手に入るよ、というのが原文の反論。昔はセーターや手袋、マフラーなどの手編みの服飾品が結構見受けられたが、今ではほとんど既製品の購入のみに頼ることに。この節約方法を主張したサイト【Pecuniarities】によると、具体的な例をいくつかあげて「これらの服は1ドル(100円)-2ドル(200円)もかからなかったよ」とある。センスと才能に満ちあふれた人なら、そのくらいの単価で素晴らしい洋服を作れるだろうが……(そもそも洋服の価格は、その大部分が人件費やデザイン料であることを忘れてはならない)。

身近な生活品に対する節約方法とその反論なだけに、コメント欄も多彩な意見が寄せられている。「(携帯版でない)ウォッシュレットを使えばトイレットペーパーよりも安価で済む」「塗料が乾燥するとか言っているが、5年前の塗料を確認したけどほとんど乾燥して無かったよ」「汗をかいたときならともかく、あまりかかない冬は一週間から二週間くらいは洗濯せずにそのまま着てるけどな」「いや、やっぱり大きな塗料を買うのはムダだよ。必要な分だけ買うべきだ」など、体験談を交えた反論や肯定意見が交わされているのが興味深い。

以前「節約のために自炊をすべき云々」の記事を掲載したところ、「場合によっては自炊するとかえって食費が高くつく」という意見をいただいた。特に一人暮らしなど消費量が少ない世帯の場合、小さく切り分けされた食材はコストが高くつくし、まとめ買いをすると使い切れずに無駄になる場合も多く、最終的に「外食・中食の方が安上がり」という場合もある。

つまるところ、安上がりになるかどうかは個々の環境次第であると共に、節約することで失われるもの・得られるものの天秤加減も人次第であり、節約すべきか否かは一概に「イエス/ノー」と言い切れない、ということなのだろう。