

「時間を節約するのに時間を消費するとは本末転倒」と考えるかもしれない。しかし30分ほど(あるいはそれ以下で終わればなお良し)の時間をかけて一日のスケジューリングをすることは、結局それ以上に時間を節約することにつながる。そしてこの作業を毎日繰り返して慣れれば慣れるほど、スケジュール立案のノウハウを経験で学び、より「現実的な(=無茶で無い)」計画を立てられるようになる。このスケジューリングは当日の朝でも良いし、前日の夜でもよい。自分の好みの時間帯でかまわない。
2.今日一日の目標を立てよう
今日一日で達成したい目標(なすべきこと、したいこと)を明確化する。その目標は詳しければ詳しいほど良い。例えば「直江兼続について調べる」ではなく、「直江兼続に関するWikipediaのページとNHKの大河ドラマの公式ページにすべて目を通す」といった感じだ。仕事や勉強だけでなく、息抜きの計画も忘れてはならない(学校や仕事場でも、朝から晩までずっと勉強や仕事に従事しているわけではないよね?)。

計画をリストアップしたら、それらの項目を分類し、効率よくグループ化する。例えば「銀行に行って通帳記入をしなければならない」「コンビニで電気料金を支払わねばならない」「今日発売の『まんがタイムきらら』を行きつけの本屋で買わねばならない」という3つの計画があったとしたら、「銀行に行き通帳記入をして、その足でコンビニに行き電気料金の支払いを行い、そして本屋に行き『まんがタイムきらら』を買う」と、一連の計画を一つにまとめあげるわけだ。
これをばらばらに「まずは通帳だけ持って銀行に行き通帳記入」「そして一度家に戻って通帳を置き、お金と電気料金の振込用紙をコンビニに持参して振込みをする」「さらにもう一度自宅に戻って本代を持って本屋に行き、『まんがタイムきらら』を買う」とするよりは、時間も手間もかからない。自動車を使う用事ならばガソリン代も節約できる。
また、この「グループ化」は一日単位ではなく、数日単位で行うことも考える。上記の例なら「『まんがタイムきらら』の発売日は今週末だから、通帳記入と電気料金の振込みはその時一緒にやるので、それまで待ち」という感じになる。計画した事項のうち、フレキシブルに対応できるものは、動かせない計画に合わせて行えば良い。
4.終わらなかった計画を翌日に持ち越す
世の中すべて計画通りにいくとは限らない。想定外の時間がかかったり、勘違いなどで今日中に終わらない計画が生じた場合、その計画を「翌日の」スケジュールへの持ち越しを行う。その計画がほとんど終わっていても、半分程度しか終わっていなくともお構いなし。要は「終了できなかった計画」はすべて「翌日に」回すわけだ。決して放棄したり、「中途半端だけどこれでオシマイ」と勝手に終わりにしてはいけない。
スケジュール上に書き込んだ「計画事項」を達成し、チェックのための横線を引く瞬間に沸き起こる達成感を勝ち得る権利は、その計画を最後までこなした人にのみ与えられる。中途半端だったり、いい加減に片付けた場合は、決してその「勝利の美酒」を味わってはならない。
一日単位でやるべきことをリストにして視覚化し、それに基づいて行動する「手法」は、実は【行動計画表とホワイトボードと付せんとメモ書き】でより詳しく解説している(……というより記事を書いている段階でデジャビュが沸きあがり、調べてみたら過去に書いていたことが分かった)。それに「一日の行動計画をリスト化してチェックしていく」方法は、今でもなお当方自身も実践しているやり方だ。
前回の記事と違うのは「関連する事項のグループ化」と「終わらなかった計画の翌日への持ち越し」。特に前者は、知らず知らずのうちに当方も行っていたが(特に買い物の時に多様する)、このようにあらためて記事としてまとめると、「なるほど」と思う人も多いはず。

寝る前に計画一覧のメモ用紙が横線のチェックで一杯になれば、大いなる満足感を得られることだろう。夜寝る前の歯みがきの時、目の前の鏡に映るのは、きっと達成感に満ちあふれた表情の顔に違いない。