履歴書イメージ現在の景気後退・雇用情勢の厳しさを「ダーウィンの進化論」になぞらえる考え方がある。キリンの首が長いのは、エサの葉っぱが高いところにしか無くなった際に、長い首を持つキリンだけが生き残り(高いところの葉を食べられるから)繁栄した結果によるもの、という考え方だ。それになぞらえて曰く、(雇用)環境が厳しくなればなるほど、そこを生き延びる(=就職・求職戦線を勝ち残る)のは「(その時の環境に適応した)優れた能力を持つ者」が優先される、というもの。【AskMen.com】では求職者すべての「キリンの首」足りうる履歴書について、4つのポイントを提示してキリンの首をより長いもの、つまり「より良いもの・確かなものにしましょう」と薦めている。




1.履歴書を新しいスタイルのものにする
原文では「WordファイルからPDFファイル、それが無理なら、HTMLやベタ打ちテキストの肩にしよう。それぞれ利点・弱点がある」としている。お気づきの通り、今件における「履歴書」とは日本で一般的な「紙に書かれたもの」では無く「オンライン上で提供されるもの」を意味している。アメリカではインタラクティブ化する面も含め、「履歴書はネットでやり取りするもの」というスタイルが日常化しているようだ。

日本の場合はまだそこまで進んではいないものの、プリンターの普及率も高く、あなた本人が(この記事を読んでいるということは)インターネットにつなげるパソコンを保有している・使える立場にあるということになる。【「履歴書」で検索すると】山ほどオンライン上で履歴書が作れるサービスが提供されている。それらを使って自分の履歴書を作り上げれば、ちょっとしたミスで「また書き直しか」と凹む心配も無くなる。

「プリントアウトしたものでは誠意がないと思われるかも」? ならばオンラインで作ってプリントアウトした履歴書を見本として、手書きでそのまま履歴書を書き直せばよいだけの話。ケアレスミスも最小限に減らせるはず。

履歴書簡略化イメージ2.履歴書を整理統合して簡素化する
「経済が弱弱しい時には履歴書も『てんこ盛り』のものは求められない(Lean economic times call for a leaner resume)」。求人倍率が1を割り込み、良い求人には多数の求職者が群がる昨今において、人事部の担当者の机の上、あるいはメールホルダーには山ほどの求職者の履歴書が積み重なっている。あまりに冗長な内容のものは、担当者に見る気力をも失わせてしまうかもしれない。「過ぎたるは及ばざるが如し」がまさにあてはまる状況といえる。

もちろん必要な事項は必ず書き加えることはいうまでも無い。ただし同時に、人事担当者がすべての履歴書をすみからすみまで読みとは限らないことも頭に入れておく必要がある。逆の立場になって考えればすぐ分かるはずだ。1日に100人分もの履歴書をチェックしなければならない時、ぎっしりと書き込まれた数枚にも及ぶ履歴書を、誰が読みたくなるだろうか。

履歴書簡略化イメージ3.自分が「雇われるべき素晴らしい人物である証拠」を履歴書に書き込む
履歴書を読む立場になって考えると、目を引くのはやはり「誰にでもすぐに理解できる類の経験・技術・経験」。具体的な数字があるとなお良い。「自分は会社の経費を節約できます」「会社の収益を上げられます」「費用を節減することができます」などのスローガン、あいまいなことなら誰でも書けるし、つかみ所が無い。

例えば「大学時代に●×サークルの幹事として数百人が主催するイベントを何度もこなしている」「簿記2級をすでに取得している」「留学経験がありビジネスレベルの英語ならすらすら読み書きできる」など。要は「自分の看板」を記す、ということだ。就職希望先にマッチした「看板」なら言うことナシ。当然ながら、その場限りのウソをついてはいけない。

4.履歴書を校正する
きれいなフォーマットで文章を構成し、余計なことを書かずに簡略化しつつ大事なことはもらさず書き、そして具体的に「自分だけの看板」をもしっかり反映させてアピール度ばっちりな履歴書が完成。しかしそこで終わりにしてはいけない。校正をする必要がある。

「内容がばっちりならちょっとしたミスくらい……」と軽い気持ちで思っていてはいけない。バブル時代で「青田刈り」という言葉がまん延していた時代ならともかく、今はまさに就職戦線大乱世の時代。自分と同じレベルの人が同じ企業に履歴書を出して、ほんのささいな履歴書のミスで自分が落とされ、ライバルがハッピーゴールインしてしまうことだって無いとは言い切れないのだ。

文字のつづりミスはもちろん、数字や形式の間違い、書き忘れの項目などチェック項目は山ほどある。時間を置いて何度も読み返したり、可能ならば第三者にも確認をしてもらおう。自分が何気なく見過ごしてきたミスを見つけてくれるかもしれない。

以前の職で当方(不破)も「履歴書を見る立場」にいたのでよく分かるのだか、これらの項目は実に的を射ている。どんなに良い経歴がずらりと並べられていても、単純な誤字脱字があればモチベーションは下がる。希望を述べるのはよいが、具体的な要件が無いと「この人はいったいどんなスキルを持っているのだろうか」と書類選考の時点で弾いてしまいかねない。

履歴書イメージましてや、下書きの鉛筆書きが残っていたり、消しゴムの消しカスがあちこちについたままの履歴書など問題外。内容自身が良くてもそのようなものが送られて来ると、「そのくらいの常識すら知らない人なんだな」と判断の材料になってしまうからだ(右半分がペン書きで、左半分が鉛筆書きのまま、という履歴書が送られて来た時にはさすがに笑ってしまったが)。

逆に、単刀直入に「こういう技術があります」「こういった経験をしています」と書かれているものは分かりやすいし、(内容次第だが)好感も持てる。

履歴書といえば、現在隔週刊誌のスーパージャンプで連載中の『銀のアンカー』がオーソドックスな手法ではあるが、的確に「就職活動とは何ぞや・どんなコツがあるのか」を解説している。自分をいかに他人にアピールできるか、表現するものを持つかなど、就職活動以外のことにも役立ちそうな話も色々と語られているので、興味がある人は目を通しておくとよいだろう。