達成感何かを成し遂げようと目標を設定する際に、その目標は大きなモノの方が野心的で良いと奨励されている。例えば「1000円を貯めよう」より「10万円を貯めよう」、「1キロやせよう」より「10キロやせよう」という具合。しかし目標を大きくし過ぎると、ゴール到達までの道のりの長さゆえに、やる気をそがれ、目標は果たされないままのことが多い。【Dumb Little Man】では「目標を噛(か)めるサイズに切り分けして、達成しやすくするための7つのヒント」とし、目標を果たしたいのなら、切り口を変えた考え方をしようと勧めている。





1.自分の出来る範囲でやってみる
元タイトルは「自分が噛みきれる最大のものより、小さなものを噛み切る」。要は「あまりにも大きなものを一挙に食べようとすると、アゴが外れるだけで一口も口にできない。自分がかみきれるサイズに小さく切り分け、一つ一つ食べて行くのが賢い食べ方」というもの。

他の例として「本一冊を一挙に書きあげようとしても、途中でモチベーションが切れる。それよりは一章分、あるいは最初の数ページを『書き終える』と決めて集中する」がある。その小さな目標を終えた時の充実感・達成感は、さらなる一歩への燃料になる。

毎日2.毎日行動
目標達成のためには、その目標に向け前進しなければならない。毎日前進、つまり行動することで、習慣化され、慣れ、勢いがつく。それらはすべて日々の工程をより簡単なものとしてくれる。

3.小さな「達成」を祝う
目標までの過程では、「今後どれほどの工程が必要か」「どこまで来たか」を確かめることがしばしばある。先があまりにも長いと、やる気がそがれてしまうかもしれない。むしろ「自分がどこまで達したか」を確認し、「そこまでの達成を成し遂げた自分」をほめたたえ、やる気をかさ上げする。きっと今後の活力につながるはず。

先の「10万円を貯めよう」なら「あと8万5000円もあるのか」か、「もう1万5000円も貯めたのか」。要は視点次第で、やる気が違ってくるというもの。

4.ミスやハードルからむしろ学ぶ姿勢を
目標達成までの道のりでは、しばしば大きな障害が待ちかまえていたり、ミスで後戻りや回り道をさせられることがある。そこで挫折することなく、むしろ【失敗してもヘコまないための5つのポイント】などでも解説しているように、「よい経験をさせてもらった」「今後同じ轍を踏まないようにする実例を得られた」と考え、経験を受け止める。そのことで、気持ちの上でも、そして実際の工程でも、プラスに転じることができる。

5.「確実に目標に向かっている」という気概を持つ
挫折の少なからぬ理由に、「五里霧中状態」「自分の努力はまったく無駄」などのような、無力感を覚えるというものがある。この状態を打ち砕くには、例えほんの少しずつでも、自分が確実に前進している事実を確認すること。「見える化」「視覚化」が良い切り口。

休む6.小休止を忘れずに
目指す目標がどのようなものであれ、「何かのために行動する」のは、心身ともに負荷をもたらす。熱心になればなるほど、知らず知らずのうちにストレス、疲れが溜まっている場合もある。その「歪み」が時として、目標達成に立ちはだかる大きな壁となる。

時折で良いので、何も行動意欲・意識を持たずに休む、「何かのために行動する」のでは無く「そのことをしたいがためだけに行う」というシンプルな行為を手がけ、心も体も休ませよう。

7.目標を注視しすぎない
目標を達成した時に得られる「結果」はあまりにも魅力的で、そのために日々努力を続けている。しかし人間は往々にしてせっかちなものだから、その「結果」がすぐに手に入らないと、欲求・願望への衝動はしおれてしまう。俗に言う「熱が冷める」状況だ。このような意欲では、中長期的な目標を達成することなど不可能。

むしろ「積極的な努力」として気合を入れるのではなく、「日常生活の一行程」として「目標への歩み」を組み入れることをお勧めする。例えるなら、庭に種を蒔(ま)き、毎日水をあげて雑草刈りをするようなもの。最終的な目標「花を咲かせる」「実が出来て収穫を得る」もまた、「日常生活の行程にある、一つのイベント」程度に考え、日々の工程を楽しむべき。

無理せず、小刻みに、そしてあまり夢中にならずに、などの視点は【貯金・貯蓄に挫折しないための10の実践例】で紹介した、上手な貯金の仕方に似ている。短期間で目標に到達出来ればそれにこしたことはないが、大抵はうまくいかず、途中で熱が醒める。日々の地味な、しかし確実な積み重ねこそが、実は最短の攻略ルートであることを、改めて認識すべきだろう。


↑ 今記事の動画版。併せて視聴いただければ幸いである