電子メール文章だけでなく音声や画像、映像まで送ることができる電子メールは、コミュニケーションツールとしては非常に便利なもの。そして携帯電話の普及により、誰もがどこからでも送受信できる、まるでテレパシーのような存在になりつつある。しかしそれゆえに陥りやすい「電子メール利用時のワナ」も存在する。[Career Success Partners]では「10の電子メール戒律」と称し、電子メール利用時のエチケットを紹介している。




1.感情的な内容を伝えるのに電子メールは使わないこと
業務的、実務的な連絡事項に電子メールを利用すること。感情表現を含めた意志の伝達には、直接出会うか電話を使った方が良い。口調や表情、身ぶり手ぶりは自分の意志をより的確に相手に伝え、誤解を避けることになる。

2.タイトルには要件を
タイトル部分には要件そのもの、あるいは内容を容易に把握できる文言を書くこと。受け手はまずタイトルを見て、内容を判断して目を通す。すべてのメールに同じように優先順位をつけているわけではない。また、同一人物に似たようなメールを連続して送る場合には、それぞれが別のメールなのが明確に分かるようなタイトル付けをすること(同じメールと勘違いされ、一部を読まずに廃棄されてしまうかもしれない)。

同じように見えるけど……3.メールを出す時には相手の個人名を確認して
電子メールは基本的に一度出してしまうと取り戻すことが出来ない。メールアドレスだけを入力して送信したら、実は似たような別人に向けて出してしまっていた、という経験をした人もいるはず。メールソフトの機能などで登録しておけば、メールアドレスに加えて送信者の名前、たとえば「不破雷蔵 」のような形で送信者欄を埋めることができる。これなら送り先を間違える可能性は随分と低くなる。

4.CCは使わずにBCCを
メールの内容によっては、同じ内容を一度に複数の人に送らねばならない場合もある。その時は送り先を自分自身にして、本当の送り先をすべてBCCの欄に入れること。自分自身は送る相手すべてを同じように知っていても、受け取り手がすべて互いを知っているとは限らない。

5.チェーンレターは転送しない
いわゆる「不幸の手紙」「幸福の手紙」の類は絶対に転送しない(原文では「どうしても送らねばならない時には相手を脅すような文言は除くこと」とあるが、ならば送らねばよいだけの話)。

消されちゃうかも6.「メール開封確認機能」は極力使わない
メール送信ソフトによっては、送信時に「相手がメールを開封したらこちらにその旨を伝えるように」との要求項目を追加することができる。受信したメールでその項目(具体的にはヘッダー部分にDisposition-Notification-To:が追加される)をメールソフトが確認すると「開封確認のメッセージを送信しますか?」とのメッセージが表示され、受け手はそれに「はい」を押した場合、「メールはちゃんと開封されたよ」を意味する返信メールを送り手に返してくれる。要は郵便の「着信確認サービス」のようなもの。

ただしこの機能、受け手側の立場になって考えてみれば、非常にうざったいことこの上ない。どうしても、他に手段が無くて、これ以外には考えられない場合にのみ、この機能を使うこと。極力使わないに越したことはない。

7.紙の書面と同様に通常の文体、句読点や大文字・小文字の使い方をすること
「インターネットの文体は大文字と小文字をより混ぜて書くと、なんかテクノっぽくてカッコいい」と考える人もいるようだが、芸術的表現ならともかく意志疎通の手段としての文字列では読みにくい以外の何物でもない。普通の手紙に書くのと同じスタイルで。

8.文末は自分の想いを込めて
形式ばった終わり方でも悪くはないが、他の無味乾燥なメールと同じような印象しか相手に与えないかもしれない。形式的なビジネス文章のコピー&ペーストだけでなく、自分がしっかりと推敲して送ったメールであることをはっきりと相手にも分かってもらえるように、ほんの一行でもかまわないのでオリジナリティのある表現を添えること。……もちろん受け狙いをしろ、というわけではない。

60以上のファイルを一度に送ってくる「しいたけスパム」9.添付ファイルは最小に
ブロードバンド環境が浸透し、個々の端末の機能も向上したこともあり、数メガバイト単位の添付ファイルを平気で送りつける人もいる。送信総量の大きさ、ファイル数の多さは共に送り手・受け手の大きな負担となる。また、送り手が無事に送れたとしても、受け手側の制限で無事に届かない場合も(届いてもメールボックスを一杯にしてしまい、他のメールが届かなくなってしまうかもしれない)。大きなサイズのファイルは圧縮をかけて極力小さくするなり、他の専用サーバー(ストレージサービスなど)に送りたいファイルだけをアップロードしてその場所をURL指定するなどの方法を取ること。

10.メールは24時間以内に返事を
メールを受け取ったら極力早めに返事をする。求められた回答を用意できない場合は、取り急ぎ受領したこと、回答を得るにはしばらく時間がかかることを相手に伝えること。「メールの着信が遅れて」という言い訳も、仮に送り手が別の人に同時に送っていたとしたらバレてしまう。

「4.CCは使わずにBCCを」は電子メールが浸透し出した当初から言われていた話。だが、いまだに時折広報・営業の方からのメールで、CCで自分のメールアドレスと共に他の人たちのも晒された状態で送られてくることがある。ミスは必ず起き得るものだが、もう少し研修なり何なりをしてほしいかな、と思うこともある。

また「10.メールは24時間以内に返事を」は【「電子メール中毒」からの解放を目指して・完全版12ステップ解消法】あたりの話と相矛盾している気がする。確かにその通りなのだが、受け手としては「電子メールにしばられたくない」と思っていても、送り手としては「なんですぐに答えてくれないの?」とイライラを募らせている可能性があるのも事実。このあたりはバランスが難しいので、個々の立場によって臨機応変に対応していくしかあるまい。