インターネットで提供されるサービスの多くは、子供にも素晴らしい恩恵を与えてくれる。動画共有サービスは未知なる世界の情景を手に取るように見せてくれるし、ニュースサイトの数々はさまざまな世の中の動きをリアルタイムに教えてくれる。百科事典のサイトは好奇心をお腹いっぱいにまで満たしてくれる。しかし一方で、少なからぬサービスは子供にリスクとトラブルの元を与えうる。ところがインターネットという新しいツールとの出会いは、保護者たちにとってもまだ間もないものなので、子供達にどのような注意をしたらよいのか分からない場合が多い。「知らない人についていってはいけない」「一人で留守番している時、知らない人がノックをしてもドアを開けてはいけない」などは子供に教えることはできても、オンライン上のトラブル・リスク回避の対処は自分自身が精いっぱいで、子供に教える余裕も知識も無い、そのような人も多いはず。そこで今回は先に【今や1日7時間…アメリカにおける「子供とデジタル系メディアとの付き合い方」に関する提言】でお伝えしたように、【アメリカ児童精神医学学会(AACAP、The American Academy of Child & Adolescent Psychiatry)】が2001年に発表した、子供とインターネットとの付き合い方・付き合わせ方に関するガイドラインの中から、「子供がインターネットと安全に付き合うため、保護者が手を打つべきこと」の部分をかいつまんで紹介してみる。9年前の話で時代遅れの感があるようにみえるが、これがなかなか良く出来た内容である。
オンライン上の各コミュニケーションサービスは、そのほとんどが「使用開始」=「一人前」として見なされる。自動車のように「教習所に通って場外試験走行をして試験に合格して免許を取り」、そしてようやくアクセスできるというシロモノでは無い。いわばレベル1で突然見知らぬ荒野に投げ出された、新米の戦士と同じような状況。子供がインターネットに触れはじめる時は常に、そしてしばらく経ってからも定期的に保護者が共にいてチェックすることが欠かせない。さらにその時間は、保護者にもインターネットやネット内のコミュニティについて一緒に学べる良い機会となるに違いない。
なおこれはあくまでも2001年当時の話なので、現在とはややズレが生じている部分もある。例えば「ウェブサイトやチャット上の-」には、今なら「オンラインゲームやソーシャルメディア上の」も付け加えるべきであるし、偽装リンクの話などもする必要が出てくる。巧妙化しているスパムメールのことも欠かせない。そして携帯電話周りは独自にルールの追加が必要だ。
それでもなお、これらの項目は基本となる部分を抑えていることに変わりは無い。これらをベースに、自分の世帯なりの「インターネットルール」を創るべく、子供と一緒に話し合ってみるのもよいだろう。
■関連記事:
【米社会の子供達のネットとの付き合い方を箇条書きにしてみる】
・「1日1時間」のように、インターネットでサイトを巡回する時間の取り決めをつくる
・チャットルームで自分の知人でない人とチャットすることは「見知らぬ人」とのお話と同じだということを教える
・自分の個人情報をウェブサイトに書き込みしたり、他人にチャットで教えないように教える
・オンライン上で見知った人と実際に会う約束は絶対しないように言いつける
・子供にクレジットカードの番号など、オンラインショッピングの際に必要なデータを教えない(勝手に、しかも怪しげなものに使われる可能性がある)
・「インターネット上の情報がすべて真実」では無いことを言い聞かせる
・フィルタ機能を活用するか、それが無ければフィルタリングソフトを導入する
・子供が使い方と倫理的な使用上の注意を十分把握し、さらに保護者が定期的にメール内容とやりとりの様子をチェックできる体制が整えられる場合にのみ、子供にメールアドレスを提供する
・子供が創ったウェブサイトやチャット上のチャットネームのプロフィールデータをチェックする
・チャットを許諾する場合、オンライン上の「語り」は現実での語りと同じように礼儀正しく行うことを言い聞かせる。不謹慎な言葉を使ったり、相手を呼び捨てしたりはしないようにさせる
・子供が自宅や保護者の目の届く場所「以外」、例えば学校や図書館、友達の家、などてインターネットにアクセスする機会があった場合にでも、これらの自主ルールに従うよう諭す
・チャットルームで自分の知人でない人とチャットすることは「見知らぬ人」とのお話と同じだということを教える
・自分の個人情報をウェブサイトに書き込みしたり、他人にチャットで教えないように教える
・オンライン上で見知った人と実際に会う約束は絶対しないように言いつける
・子供にクレジットカードの番号など、オンラインショッピングの際に必要なデータを教えない(勝手に、しかも怪しげなものに使われる可能性がある)
・「インターネット上の情報がすべて真実」では無いことを言い聞かせる
・フィルタ機能を活用するか、それが無ければフィルタリングソフトを導入する
・子供が使い方と倫理的な使用上の注意を十分把握し、さらに保護者が定期的にメール内容とやりとりの様子をチェックできる体制が整えられる場合にのみ、子供にメールアドレスを提供する
・子供が創ったウェブサイトやチャット上のチャットネームのプロフィールデータをチェックする
・チャットを許諾する場合、オンライン上の「語り」は現実での語りと同じように礼儀正しく行うことを言い聞かせる。不謹慎な言葉を使ったり、相手を呼び捨てしたりはしないようにさせる
・子供が自宅や保護者の目の届く場所「以外」、例えば学校や図書館、友達の家、などてインターネットにアクセスする機会があった場合にでも、これらの自主ルールに従うよう諭す
オンライン上の各コミュニケーションサービスは、そのほとんどが「使用開始」=「一人前」として見なされる。自動車のように「教習所に通って場外試験走行をして試験に合格して免許を取り」、そしてようやくアクセスできるというシロモノでは無い。いわばレベル1で突然見知らぬ荒野に投げ出された、新米の戦士と同じような状況。子供がインターネットに触れはじめる時は常に、そしてしばらく経ってからも定期的に保護者が共にいてチェックすることが欠かせない。さらにその時間は、保護者にもインターネットやネット内のコミュニティについて一緒に学べる良い機会となるに違いない。
なおこれはあくまでも2001年当時の話なので、現在とはややズレが生じている部分もある。例えば「ウェブサイトやチャット上の-」には、今なら「オンラインゲームやソーシャルメディア上の」も付け加えるべきであるし、偽装リンクの話などもする必要が出てくる。巧妙化しているスパムメールのことも欠かせない。そして携帯電話周りは独自にルールの追加が必要だ。
それでもなお、これらの項目は基本となる部分を抑えていることに変わりは無い。これらをベースに、自分の世帯なりの「インターネットルール」を創るべく、子供と一緒に話し合ってみるのもよいだろう。
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