【「ツイッターやSNSを広報宣伝に利用したい」企業全体4割強、オンラインゲームは2割程度】のようにソーシャルメディアを利用したい企業は増加する傾向を見せているが、一方で【「ソーシャルメディア食わず嫌い」な人の耳に入れたい5つの真実】の事例にもあるように(特に企業上層部の)「食わず嫌い」なところから参入・利用を拒んでいるところが多いのも事実。【Social Media Examine】ではそのような考えを持つ上層部がいる企業において、「でもソーシャルメディアは我が社には絶対必要なんだ!」と強い意志を持つ社員・中堅幹部に向け、上層部を説得し、ソーシャルメディアを運用していくための9つのステップ・アドバイスを紹介している。
インターネット上の、そして一般社会上の文化形態の微妙な違い(匿名性に対する心理など)から、日本ではFacebookの浸透が今一つ鈍い。その一方でツイッター、mixiや携帯電話がメインのソーシャルメディア(GREEやモバゲータウン)などがそれぞれポジションを維持し、少しずつ(あるいはすでに持つ)地位を確固たるものとしつつある。
日本で「ソーシャルメディアに参入」となると、これらが対象となる。またはジャンルによっては、そのジャンルに長けたソーシャルメディアへの参入も考えられよう(自前でソーシャルメディアを構築するという手もあるが、予算やリスクを考えるとあまりお勧めできない)。Facebookへの参加が半ば前提となる原文とは多少違いを見せる部分もあるだろうが、十分以上に参考になるはずだ。
1.情報の「流れ」を具体的な事例で見せる
Google AlertsやTweetDeckなど無料のツールを使いこなし、自分の会社についてどのような事柄がインターネット、特にソーシャルメディア上で語られているか、それらがどのくらいのスピードで拡散していくかを、スクリーンショットなども含めてビジュアル的な形で指し示す。何か特定の事柄がソーシャルメディア上で語られると、場合によっては「あっという間に」「広範囲に」浸透していくかが理解できるような実例を指し示すと効果的。
そしてその情報拡散の内容がポジティブなものかネガティブかについて、統計を取り、それをも指し示す。この際に「ネガティブな情報」をいかに抑えて、あるいは「火消し」をして、最終的に会社にはプラスとなるような方法論を同時に展開・提供することを忘れずに。さもなくば上層部は「マイナスな事が高速に浸透するのでは会社にとってマイナスだ」というイメージを持ってしまう(危機を恐れるばかりで危機管理をないがしろにしてしまうということ)。
2.競争相手の状況を確認し、利用する
もし同業他社、特に業務上常に競っている企業が「まだ」ソーシャルメディアに参入していないのなら、「業界でリーダーシップを取るチャンスです」とのささやきは、大きな効果を果たす。すでに「ソーシャルメディアというものが流行っているな」という情報は多かれ少なかれ上層部にも耳に入っているのだから。逆にライバル企業がすでに参入しているのなら、「彼らもすでに参入しているのです。うちがまだ未参入となると、時代の流れに取り残されますヨ」という一言が有効打になる。
……はい、そこ。詐欺師みたいだと言わないように(笑)。
3.同業他社の実例(報道など)を指し示す
同業他社がソーシャルメディアを通じて行っているキャンペーンをプレスリリースや報道事例を用いていくつか例示し、「このような形で宣伝手法として使っています」という実例を指し示す。同時に、例えば【危機管理ツールとしてソーシャルメディアを活用する際の7つの心得】の冒頭で記したBP社の失敗事例のように、ソーシャルメディアをうまく使いこなせなかった、対応不十分で消費者の不平不満をあおってしまった事例も合わせて紹介すると、(上手く使いこなすべきであるという主張への)説得力が増す(万一炎上した後の火消し、そしてそれをポジティブな方向に昇華した例としては【UCCの事例(tokuriki.com)】が好例)。
4.具体的な統計データを指し示す
国内外を問わず多数の調査機関がソーシャルメディアと企業との関係、消費者がソーシャルメディア越しに企業を観るように姿勢を変えつつあるかについての調査報告書、研究レポートを提示している。中には現時点だけでなく、将来どのような傾向を見せるか(当然消費者はより一層ソーシャルメディアに頼り、企業の多くはソーシャルメディアを介して消費者に情報を提示する)の予測を見せているものもある。研究機関のデータは力強い後押し、論理展開の土台となりうる。
5.はじめは小さな一歩から
いきなり数十人の担当者と数千万単位の予算を振り分けてプロジェクトを立ち上げても、(よほど大きな企業で無い限り)混乱を来たすだけ。試験運用の名目のもとに、小規模な予算と人員(ボランティアレベルで社内から公募を行っても良いだろう)でスタートする。最初からフルタイムの専属社員を用意する必要は無い。そして「ほんの小さな事」でもよいので実働させ、成果を見せることが重要となる(その観点では、運用規模が小さくて済むツイッターが企業に好まれるのも理解できる)。
6.リスク対策と「こんなこともあろうかと」の保険を想定出来る限り用意しておく
例え小さな規模の試験運用の段階でも、何らかのトラブルが発生する、あるいは巻き込まれる可能性はある。何か問題が発生した時に、その問題に対処するマニュアルが用意してあれば、混乱することなく事態を収拾し、逆にそれをプラスの効用として活かすことすら可能となる。あらゆるシナリオを想定し、その場合の対応策をスタッフ間で話し合い、意思統一をし、マニュアル化しておく。
7.社外の「プロ」の助けを借りる
「5.」でボランティアレベルでの公募をした際に、社内に意外な「お宝的才能・経験を持つ人物」を発掘できる時もあるが、そのような幸運に恵まれないことも多々ある話。場合によっては社内の専門家よりも、社外のプロに相談を持ちかけ、協力してもらった方が良い場合も多い(※ただしソーシャルメディアのような普及しはじめのサービスの場合、本当の「プロ」以上に「プロ」のふりをして高額をせしめる「エセプロ」が出現するので注意が必要。ブログサービスや携帯電話向けサイトの普及しはじめの時にも同じ現象が確認されている)
8.ガイドラインを創り、スタッフに許可を与える
経営陣に対し「自分達は勝手気ままにソーシャルメディアに参加、運用しているわけでは無い」ことを明確にし、安心感を与えるために、厳密なガイドラインを構築する。ソーシャルメディア上で発せられる話題、発しない話題、どのような投稿が削除対象となり、そしてそれはなぜ削除されるのかなど、ソーシャルメディアの運用の上で必要な「決まり」「ルール」を確かなものとしておく。「6.」が「もしも」の時のためのルール作りなら、これは「通常時の」ルール作りとなる。
「どのようなものを創ればよいのか分からない」。そんな疑問を持つ人も多いはず。その場合、先人達の知恵を素直に借りることにする。すでにFacebookやツイッター上でアカウントを持ち、運用している企業の「ソーシャルメディア運用に関するガイドライン」の類をチェックし(ガイドラインは対外的な宣言でもあるため、ほぼすべての運用企業が一般公開している)、十分に参考にするとよい。元記事では英語の「インテル」のガイドラインが事例として挙げられているが、日本国内のインテルにも【同様のガイドライン】が用意されているので、それを参考にするのも一つの手。読み通すと「なるほど」と思う点も多いはず。
↑ 日本のインテルでのソーシャルメディア・ガイドライン。外資系の企業の多くには、似たような文面を見つけることができるはず
9.一時の感情に振り回されることなく、正しい道を突き進む
ソーシャルメディアの運用スタッフも人間である以上、ミスをすることもあれば、ガイドラインから離れた対応をしてしまうこともある。そしてミスが無かったとしても、元々何も無いところから始めた自社のソーシャルメディアの運用は、なかなか成果を生み出さないかもしれない。
変化をもたらすというのは、簡単に事が運ぶものではない。だからといってそこで挫折することなく、決めたルールを厳守しながらひたすら前進を続けることが肝要となる。顧客たちとの接点をオープンにし、意味のある言葉を交わし、関係を強化することは、会社にとって極めて重要であり、正しい道であることは誰の目にも疑う余地が無いのだから。
Google AlertsやTweetDeckなど無料のツールを使いこなし、自分の会社についてどのような事柄がインターネット、特にソーシャルメディア上で語られているか、それらがどのくらいのスピードで拡散していくかを、スクリーンショットなども含めてビジュアル的な形で指し示す。何か特定の事柄がソーシャルメディア上で語られると、場合によっては「あっという間に」「広範囲に」浸透していくかが理解できるような実例を指し示すと効果的。
そしてその情報拡散の内容がポジティブなものかネガティブかについて、統計を取り、それをも指し示す。この際に「ネガティブな情報」をいかに抑えて、あるいは「火消し」をして、最終的に会社にはプラスとなるような方法論を同時に展開・提供することを忘れずに。さもなくば上層部は「マイナスな事が高速に浸透するのでは会社にとってマイナスだ」というイメージを持ってしまう(危機を恐れるばかりで危機管理をないがしろにしてしまうということ)。
2.競争相手の状況を確認し、利用する
もし同業他社、特に業務上常に競っている企業が「まだ」ソーシャルメディアに参入していないのなら、「業界でリーダーシップを取るチャンスです」とのささやきは、大きな効果を果たす。すでに「ソーシャルメディアというものが流行っているな」という情報は多かれ少なかれ上層部にも耳に入っているのだから。逆にライバル企業がすでに参入しているのなら、「彼らもすでに参入しているのです。うちがまだ未参入となると、時代の流れに取り残されますヨ」という一言が有効打になる。
……はい、そこ。詐欺師みたいだと言わないように(笑)。
3.同業他社の実例(報道など)を指し示す
同業他社がソーシャルメディアを通じて行っているキャンペーンをプレスリリースや報道事例を用いていくつか例示し、「このような形で宣伝手法として使っています」という実例を指し示す。同時に、例えば【危機管理ツールとしてソーシャルメディアを活用する際の7つの心得】の冒頭で記したBP社の失敗事例のように、ソーシャルメディアをうまく使いこなせなかった、対応不十分で消費者の不平不満をあおってしまった事例も合わせて紹介すると、(上手く使いこなすべきであるという主張への)説得力が増す(万一炎上した後の火消し、そしてそれをポジティブな方向に昇華した例としては【UCCの事例(tokuriki.com)】が好例)。
4.具体的な統計データを指し示す
国内外を問わず多数の調査機関がソーシャルメディアと企業との関係、消費者がソーシャルメディア越しに企業を観るように姿勢を変えつつあるかについての調査報告書、研究レポートを提示している。中には現時点だけでなく、将来どのような傾向を見せるか(当然消費者はより一層ソーシャルメディアに頼り、企業の多くはソーシャルメディアを介して消費者に情報を提示する)の予測を見せているものもある。研究機関のデータは力強い後押し、論理展開の土台となりうる。
5.はじめは小さな一歩から
いきなり数十人の担当者と数千万単位の予算を振り分けてプロジェクトを立ち上げても、(よほど大きな企業で無い限り)混乱を来たすだけ。試験運用の名目のもとに、小規模な予算と人員(ボランティアレベルで社内から公募を行っても良いだろう)でスタートする。最初からフルタイムの専属社員を用意する必要は無い。そして「ほんの小さな事」でもよいので実働させ、成果を見せることが重要となる(その観点では、運用規模が小さくて済むツイッターが企業に好まれるのも理解できる)。
6.リスク対策と「こんなこともあろうかと」の保険を想定出来る限り用意しておく
例え小さな規模の試験運用の段階でも、何らかのトラブルが発生する、あるいは巻き込まれる可能性はある。何か問題が発生した時に、その問題に対処するマニュアルが用意してあれば、混乱することなく事態を収拾し、逆にそれをプラスの効用として活かすことすら可能となる。あらゆるシナリオを想定し、その場合の対応策をスタッフ間で話し合い、意思統一をし、マニュアル化しておく。
7.社外の「プロ」の助けを借りる
「5.」でボランティアレベルでの公募をした際に、社内に意外な「お宝的才能・経験を持つ人物」を発掘できる時もあるが、そのような幸運に恵まれないことも多々ある話。場合によっては社内の専門家よりも、社外のプロに相談を持ちかけ、協力してもらった方が良い場合も多い(※ただしソーシャルメディアのような普及しはじめのサービスの場合、本当の「プロ」以上に「プロ」のふりをして高額をせしめる「エセプロ」が出現するので注意が必要。ブログサービスや携帯電話向けサイトの普及しはじめの時にも同じ現象が確認されている)
8.ガイドラインを創り、スタッフに許可を与える
経営陣に対し「自分達は勝手気ままにソーシャルメディアに参加、運用しているわけでは無い」ことを明確にし、安心感を与えるために、厳密なガイドラインを構築する。ソーシャルメディア上で発せられる話題、発しない話題、どのような投稿が削除対象となり、そしてそれはなぜ削除されるのかなど、ソーシャルメディアの運用の上で必要な「決まり」「ルール」を確かなものとしておく。「6.」が「もしも」の時のためのルール作りなら、これは「通常時の」ルール作りとなる。
「どのようなものを創ればよいのか分からない」。そんな疑問を持つ人も多いはず。その場合、先人達の知恵を素直に借りることにする。すでにFacebookやツイッター上でアカウントを持ち、運用している企業の「ソーシャルメディア運用に関するガイドライン」の類をチェックし(ガイドラインは対外的な宣言でもあるため、ほぼすべての運用企業が一般公開している)、十分に参考にするとよい。元記事では英語の「インテル」のガイドラインが事例として挙げられているが、日本国内のインテルにも【同様のガイドライン】が用意されているので、それを参考にするのも一つの手。読み通すと「なるほど」と思う点も多いはず。
↑ 日本のインテルでのソーシャルメディア・ガイドライン。外資系の企業の多くには、似たような文面を見つけることができるはず
9.一時の感情に振り回されることなく、正しい道を突き進む
ソーシャルメディアの運用スタッフも人間である以上、ミスをすることもあれば、ガイドラインから離れた対応をしてしまうこともある。そしてミスが無かったとしても、元々何も無いところから始めた自社のソーシャルメディアの運用は、なかなか成果を生み出さないかもしれない。
変化をもたらすというのは、簡単に事が運ぶものではない。だからといってそこで挫折することなく、決めたルールを厳守しながらひたすら前進を続けることが肝要となる。顧客たちとの接点をオープンにし、意味のある言葉を交わし、関係を強化することは、会社にとって極めて重要であり、正しい道であることは誰の目にも疑う余地が無いのだから。
インターネット上の、そして一般社会上の文化形態の微妙な違い(匿名性に対する心理など)から、日本ではFacebookの浸透が今一つ鈍い。その一方でツイッター、mixiや携帯電話がメインのソーシャルメディア(GREEやモバゲータウン)などがそれぞれポジションを維持し、少しずつ(あるいはすでに持つ)地位を確固たるものとしつつある。
日本で「ソーシャルメディアに参入」となると、これらが対象となる。またはジャンルによっては、そのジャンルに長けたソーシャルメディアへの参入も考えられよう(自前でソーシャルメディアを構築するという手もあるが、予算やリスクを考えるとあまりお勧めできない)。Facebookへの参加が半ば前提となる原文とは多少違いを見せる部分もあるだろうが、十分以上に参考になるはずだ。