ぬるま湯熱くも無く冷たくも無く、やんわりとした温かさを感じとれる温度のお湯を「ぬるま湯」と呼び、刺激は無いけど気持ちよく、ずっとその状態を維持したい心境を表わす言葉としても使われる。日々平凡だがあくせくすることも無く、定型フォーマットに従い作業をこなしていくだけで、心配することも努力で汗を流す必要もない。しかし見方を変えれば、そのような状態は「腑(ふ)抜け」でしかなく、自分自身そのものも、自分が持つ様々な技術、心身的な能力の発展も妨げることになる。自分の殻に閉じこもらずに「ぬるま湯」から足を踏み出し、少しでも成長を望む人たちに対し、【Career Success Partners】では9つのきっかけを提示している。




プレゼンテーション1.多数の人たちの前で話す機会を創る
いきなり駅前や街頭で演説を始めろ、というのではなく、例えば部局のプレゼンテーションに参加して発言を求めたり、新商品発表会への取材で説明後の質疑応答で質問をしてもよい。不特定多数の前に自分自身をさらすことで、自分も周囲も変化を得ることができる。

2.仕事場までのルートを変えてみる
もちろん遅刻しないようにするのが大前提だが、別路線を使ってみたり、バスを利用せずに自転車で駅まで行ってみる。何か新しい発見・出会いがあるかもしれない(【アインシュタイン氏から学べる10の「力がみなぎる方程式」】の「8.同じことを繰り返しているのに異なる結果に期待しない」がこれに近い)

3.いつも受け入れている事柄にダメ出しをしてみる
原文は「何かにノーを言ってみる」。常日頃から習慣的に受け入れているものに対し、何かもっと大切なことを成すための時間を創るため、「ノー」を宣言する。例えばいつも職場で同僚から昼飯の調達を頼まれていたら、「今日はちょっと寄ってみたい店があるからダメだね」と断りを入れてみよう。

4.自分の考え、意見を共有する
同じグループ、部局、サークル内で、自分の考えや意見を語り、情報を共有する。他人の情報やアイディアと交わることで、化学反応を起こすかもしれない。

5.懇談会などに参加する
名刺交換会的な「顔合わせイベント」に足を運んでみる。大抵は下らない雑談とまずくて冷え切った料理と出会い、自宅に戻ったらシュレッダー行きの名刺の束が集まるだけだが、時として人生を変え得る出会いや言葉に遭遇することもある。

帰宅6.仕事をいつもより一時間早く切り上げて帰宅する
帰宅時間を繰り上げ、家族と過ごす時間を増やす。子供と一緒にゲームか何かで楽しんだり、あるいは外食に家族を招待して楽しいひと時を過ごすのも良い。

7.今週一週間、朝30分早起きしてみる
30分早起きして自由時間を創り、一日の計画を立てることにあてる。あるいは自分のインスピレーションを高める書物を読む時間に当ててもよい。

8.レガシーメディアと「さよなら」してみる
最近はテレビも新聞も否定的で暗い話ばかり。テレビのニュースの時間になったら電源をオフにし、新聞をポストから古新聞入れに直行させてみる。メディアがネガティブ志向に走っているのは日本国内だけに限らないようだ。

9.あいまいな見積もりの投げ合いから一歩踏み出してみる
相手との腹の探り合い的な見積もり・見通しの投げ合いをしていたのでは、いつまで経っても物事は進まない。「会議は踊る、されど会議は進まず」ではないが、やりとりのプロセスを楽しむために時間を費やしても意味が無い。具体的なビジネスの話をするため、一歩前に、具体的な話に踏み込んでみる。

「ぬるま湯」は言い換えれば環状線の上を走る鉄道のようなもの。時間通りに運行していれば何の問題もないが、何周してもその場から離れ、先に進むことは無い。「それで良し」とする考え方もあるが、そのような状況に快楽・楽しみを覚える人はさほど多くは無い。全部を同時に行うのは難しいが、一つ二つだけでも実践することで、何かの変化を、そしてぬるま湯からの脱却を実感できるはずだ。


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