達成感【時間を上手に管理するための10の秘伝】【億万長者から学ぶ7つの人生訓】【疲れていても仕事をしなきゃならない時の6つのカンフル剤】などで繰り返し触れているように、何か目標を設定してそれを果たした時の充実感は、何物にも代えがたいものがある。そしてその充実感は、さらなる目標への活力となる。つまり継続的な目標達成経験こそが、中長期的な成功の秘けつにもなりうるわけだ。だからこそ目標は妥当性のあるものでなければならない(叶いそうにもない夢を目標にすると、永遠に達成感は得られなくなる)。【Dumb Little Man TIPS FOR LIFE】では、適切で妥当性のある「目標」の立て方について、6つのアドバイスを施している。




想像1.達成した姿を想像できるものを目標にする
頭の中で目標を達成した時のことを容易にイメージできるのなら、それは現実度は低いものではない。「思考は現実化する」ではないが、「これは実際には無理だろ」と自分の頭の中で強い駄目出しが出ているものを、身近な目標とするのは無理がある。

逆にいえば、目標を立てる時にはまずはじめに「自分が何を成し遂げたいか、何を望むか」をじっくりと考えること。目的港を明確化することで、途中の航路もしっかりとしたものになり、航海の安全度も高まる。

2.「成功する」「達成する」と信じられるものを目標にする
「1.」と似ている部分があるが、これは「1.」よりも強い思い込みを意味する。「1.」で目標を想像した際に、どんなメリットが自分に舞い込んでくるかを想像するだけで、ウハウハモードになることも少なくない(例えば「大学に合格したら、一人暮らしを始めて、好きな専門分野の講義を受けて、アルバイトを探して、サークルに入って、憧れの教授のゼミに加入して……」など)。しかしそのような夢の世界を想像すると、同時にもう一人の自分が「そんなの出来っこない」というネガティブな意見をささやくものだ。少なからぬ場合、そのささやきで意思は腰砕けになり、目標達成のモチベーションは暴落する。

そんな時はその「悪魔のささやき」を窓から放り出し、「自分は必ず成功し、目標を達成し、夢のような結果を手に入れる」という思いで気持ちを満たすようにする。

3.現実に達成可能なものを目標にする
目標は達成するために存在するもの。そのために現実的な問題として、成し遂げられるものを目標とする。まともな思考状態にあれば、妄想を目標とすることはないはずなので、「1.」や「2.」でこの条件はクリアされているはず。

例えば「牛一頭分の牛肉を一口で食べる」ことは物理的に不可能(トロールでも無い限り)。しかし「牛一頭分の牛肉を食べる」ことなら、細かく計画・目標を設定すれば可能となる。「牛一頭が500キログラムだとして、1日200グラム食べるとすれば2500日で達成できる」とい具合だ。

そして全体的な目標を達成するために周囲に助けを求めることも忘れてはならない。この例なら、一人で「牛一頭分」だと7年近くかかるが、一人に助けを求めれば3年半、二人なら2年強、十人なら1年足らずで「偉業」を成し遂げることができる。大きなプロジェクトを立ち上げて実行したいと目標に定めた時、自分一人だけですべてを終わらせることなどできはしない。しかし他人の協力を得られれば、それは達成可能な目標となる。

研究発表4.計測可能な目標にする
目標設定の際には出来る限り具体的な項目を含めるべき。例えば研究者の場合「いつかどこかの学会誌に自分のレポートを発表したいな」ではなく「今年度中に、今自分が懸命に研究している●×についてのレポートを1本、学会誌のA誌に送って発表したい」とすべき。この例の場合、「期間」「個数・要件数」「行動内容の重要性」が明確化されており、より分かりやすい、果たしやすい目標となる。

5.「二の次、三の次」的な選択肢がある目標は選ばない
複数の選択肢があらかじめ用意されている目標は、焦点自身がぶれたものとなり、そこに向けての歩みもふらついたものとなる。そんな目標は目標では無く、緩やかな想い、願望でしかない。「4.」の例でなら「学会誌のA誌がベストだけど、難しいのならそれよりハードルが低いB誌、それでも無理なら社内報や自分のブログ上でもいいヤ」ではなく、「絶対に学会内で権威のあるA誌で自分のレポートを発表するんだッ」ということ。

魔法のランプ6.自分がやりたいことを目標にする
結局、充実感を得られる目標を設定するには、自分自身がどれだけその目標を達成したいかにかかっている。自分が成し遂げたい対象であれば、猪突猛進が如く突き進むエネルギーが沸き上がるに違いない。目標を設定した時に、「1.」から「5.」の端々で触れているような、自分自身の内からみなぎる何かを感じとれただろうか。もしその欠けらでも見つけることができなければ、その目標は「自分がしたいこと」ではなく、目標としては落第点しか与えられない。

まずは自分の情熱をぎっしりと圧縮した、「大まかな意味での自分のしたいこと(大目標)」リストを作ろう。そしてそれを「3.」のように細分化し、自分の情熱を振り分けよう。細かい一つひとつの目標は単独である限り自分の熱意とは無関係のように見えても、それが自分の大目標のパーツであることを認識すれば、ささいな目標でも熱い情熱を傾けることができるはず。

自分の叙事詩人の本質、生活の上での充実感は、つまるところこれまでの経験の蓄積によるところが大きい。人生を一冊の叙事詩に例えれば、毎日一ページずつ新しい文章を書きくわえていくようなものだ。だらだらと駄文を積み重ねていくのか、それとも明確な意思と目標設定の元に、情熱に満ちあふれた筆使いで想いを書き連ねていくのか。一日あたりの違いはさほどないかもしれないが、一章毎に(=目標の達成毎に)、自分の「叙事詩」の充実感は少しずつ違いを見せてくる。

あなたの目標は、日々の生活を怠惰なままにしておく程度のものだろうか。それとも振りかえっても満足いく一日と自負できるだけの、そしてこれから先への活力も得られるようなものだろうか。考え直すだけの価値は十分以上にあるはずだ。